伊坂幸太郎「チルドレン」
人質1ダース
人質としての作法
声なんて温度でしかないよ
音というのは川の中で魚を拾うようなものなんだよ
好きな子からもらって、喜んで開けたら、みんながもらっている義理チョコと一緒だった、というのと、同じくらいの悲劇だ
女子トイレは迷路になってんのかよ!時間が止まってんのかよ!
自分で自分の愚かさに気づかないのは、罪じゃないですよね
武藤だから無糖
ライバルが人間であれば、わたしはもっと鷹揚に構えている
「絶対」と言い切れることがひとつもないなんて、生きている意味がないだろ
自分だけ金を手に入れたからって、いい気になるなよ
陣内は世の中の面倒なことを飛び越しちゃっているのかもしれない
だから、あそこにいる鳩だって、ずっと面子が変わらない。同じやつばっかりだ
陣内が何か口にするたびに、「絶対」の価値は下落していく
初対面の者同士が、短時間でよくもここまで険悪になれるものだと感心できるくらいの雰囲気だった
永瀬には、わたしに見えないものが見えている
わたしは決してそうではないと分かってはいても、とりあえずの妬みを感じる
不良の中古品を返品してくるかのように、陣内くんを引き渡してくれた
「陣内はね、喋れば喋るほど、怪しまれるんだ」
「俺に呪いでもかかってんのかよ」
麦を発酵させて作った酒を、五百ミリリットルくらいのジョッキで五杯ほどだよ
それは白じゃない。薄い黒だ
俺たちは奇跡を起こすんだ
俺は生まれてこの方、ダサかったことなんて一度もないんだよ
クマのプーさんに知性が加われば、確かに無敵だ。いや、無敵ではないか
「行かない理由が見つからないんだよね、困ったことに」
彼女の口調には、困惑はまるで含まれていない
陣内くんは、鴨居くんにとっての、パンの耳だ
確か、限定だから
暴動を起こした水道ホース
2016/01/19
#すきなことば